プライスアクション・トレード教室:サポート&レジスタンスと『ストップハンティング』の法則(Vol.001)
最終更新日 2016年7月21日 : 【特許技術】プライスアクションJAPAN by kumahige
くまひげ先生のプライスアクション教室:
サポート&レジスタンス・ゾーンと
『ストップハンティング』の法則(Vol.001)
マーケットがレンジになると、上下に一定のエリアを描くことができる。
サポート&レジスタンスに対しては、ラインを引く方が多いが、
私の場合は、一定の幅を持った
ゾーンやエリアとしてとらえたほうが良いのではないかと考えている。
実際にラインとして引くことも多いが、
FX(為替)の通貨ペアの場合であれば、
上下に数2~3pips程度一定の余裕をもたせたほうが良い。
たとえば、サポート&レジスタンスをラインと考えた場合の問題点は、
多くのファールやダマシが起きやすいということである。
1本のラインとした場合、そのラインを超えた場合、
ブレイクアウトとして判断するケースが明らかに増えるが、
実は、ブレイクアウトほど、他の手法で追認をおこなわなければ、
ファールやダマシの多いものはない。
特に、反転(リバーサル)をブレイクアウトでとらえる場合の多くは、
ファールとなるケースが多いことを、多くのトレーダーは経験しているのではないだろうか。
トレーダーの中には、FXではブレイクアウトは機能しないと考えている人も多いようだが、
ブレイクアウトだけか、インジケーターを組み合わせているだけでは、精度の低い判断になる。
※ 精度の高いブレイクアウトによるリバーサルの判断技術は、又の機会する。
上のチャートでは、ラインのサポート&レジスタンスの上下3pipsで6pips幅をゾーンとして設定している。
この短い期間のケースにおいても、2度もブレイクアウトのファールがあるが、
これは特別なケースではなく、
ブレイクアウトにはこのようなスパイクでのダマシが多くあることを理解していなければならない。
もし、このようなブレイクアウトを単にラインとして判断していた場合ならば、
もっと多くのダマシがあったことが想定できるのではないだろうか。
また、レンジ・マーケットであると判断して
カウンター・トレンド(逆張り)でエントリーをする場合でも、
ある程度の余裕を持ったゾーンでのトレードをおこなわなければ、
すぐにストップに掛かってしまうことだろう。
単にラインで判断する場合は、
何らかのロウソク足のリバーサル・パターンによる追認が必要である。
または、低ボラティリティのマーケットであるならば、
ブレイクアウトがファールになることを、
あらかじめ想定して、エントリーするということが必要ではないだろうか。
このブレイクアウトのファールを利用した手法は数多く存在している。
有名なところで、ラリー・ウィリアムズの『スペシャリストの罠』や
リンダ・ラシュキの『タートル・スープ』があるが、最も古いものは、
リチャード・ワイコフの文献に出てくる。
名称は違えど、内容はほぼ同じである。
つまり、多くの魔術師と呼ばれるスーパー・トレーダーたちの多くが、
この事実を利用しているということである。
この手法を突き詰めれば、
結局、他のトレーダーのポジションに対する
『ストップハンティング』をおこなっているということになる。
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